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vol.7 水に棲む home
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ならば、宮ケ瀬へ遊びに行こう
 
毎週水曜と毎月第2日曜は「観光放流」がある。これって、じつはすごい。
湖に流入する温度で放流する  
観光放流と観光客 観光放流と観光客 観光放流と観光客
「高位常用洪水吐」からの放水に見入る観光客。ここまでお読みになった方なら、「洪水の予防のための放流だから、なんと幸運な人々か」。違うのだ。観光客の期待に応えて、わざわざ放流して見せているのだ。題して、「観光放流」。 v
 
インクライン
「インクライン」と呼ばれるケーブルカー状の乗り物。インクラインとは傾斜の意で、なるほど、立ちくらみが起こりそうなほど急傾斜を行く。有料。
列車状自動車
列車状の自動車。ゆったり、のんびりと、ダム下の川沿いの美しい風景を行く。ダム下には自然の滝もあり、なかなかの景観で、夏は清涼感あふれる。
   宮ケ瀬湖の水温は、最低8℃、最高22℃、である。こんなに温度差があるのだから、下流の生物のことを考えると、慎重に放流しなければならない。
「いちばん最初に魚に影響が出ますね。これまでは冷たい水が放流される傾向にあった。するとヤマメやイワナが、ずっと下流に生息するようになる」
 あるいは成長が遅くなるなどの影響も出る。昆虫も無縁ではいられない。ある種の昆虫がいなくなったり、新たな種が現れたりする。長い目で見れば植物相だって変容するはずだ。そうなってはならない。
「選択取水設備」で取水するとして、はたして何度の水を選ぶのか。こんな疑問に城田さんは明快な答えをくださった。
「湖に流入する温度です」
 なるほど、それなら間違いない。上流に「水質自動観測装置」があり、そこからデータが送られてくるという。
 ビオトープは3カ所ある。
「ダム建設に先立って、自然環境調査を行い、宮ケ瀬の動植物の生態系を把握しています。それにしたがってゾーニングや貴重な植物の移植も行っています。おかげで、自然は豊かですよ」
 行きたくなったでしょう? 今度の休みにいかがでしょう。
ビオトープで「発見」されたツチガエル。生き物に優しいこと、それがこれからのダムのテーマであろう。宮ケ瀬の進取性は数カ所に設けられたビオトープに見ることができる。
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