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「洪水吐」と書いて、「コウズイバキ」と読む。みごとなまでの専門用語である。
「ダムの目的のひとつは洪水を防ぐことです。ダムに一時的に貯めて、すこしずつ放流するのです」と城田さん。
計算上、宮ケ瀬ダムには、最大毎秒1700立方・の水が流入する。いっぽう、放流は最大毎秒100トンである。
宮ケ瀬ダムは標高286mまで貯水できる。しかしそうしておくと、緊急な増水のとき溢れる危険がある。したがって、つねにすこし足らない状態にしておく。だが、あまり足らない状態でも、困る。
「水道側からするといつも満杯でいて欲しいわけです。洪水に視点を移せば、なるべく水位は低いほうがいい」
というわけで、宮ケ瀬ダムの場合、夏場には4500万立方・分を下げておくのが常態という。水道と洪水の妥協点である。
毎秒100トンの放流は基本的に、正副ある「高位常用洪水吐設備」の、正の放流管が使われる。だがじっさいには、毎日放流している「選択取水設備」が洪水防止に機能している。この設備はなぜ常時放流しているか? 発電しているからである。
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