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vol.6 健康とおいしい水 home
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page3 水でなければならない理由2
 
血漿の濃縮 これが脱水
 
 人体は約100兆個の細胞によって構成されている。人体を2つに分けよう。細胞の中と外だ。水分のより多くは細胞内に存在し、その割合は3分の2。3分の1は細胞外で、まず血液、それから細胞と細胞のあいだにある細胞間液となっている。ちなみに、細胞外液は原始の海水と酷似している。われわれはたしかに海からきたのである。
 
体脂肪と除脂肪    人体の約60パーセントは水である。その10〜15パーセントを失うと生命に関わる。体重70キロの人でいえば、42リットルが水分となり、その10パーセントであるから、4・2リットルだ。体重がいきなり数キロも落ちるのは水分の減少以外ありえず、もし4キロも落ちるような事態にたちいれば、すなわち生命の危機。マラソンを走り終わったあとに、体重が2キロほど減ったことを見て、2キログラムやせた、などと喜ぶ光景を見ることがある。どしがたい無知といって過言ではない。サウナも同様。
 
 血液は体重の13分の1ある。血液は血球成分と血漿に2分できる。血液に血球成分のしめる割合をヘマトクリット値と呼ぶ。健康診断にも用いられる健康の指標である。健康な人のへマトクリット値は45パーセント。血漿とはタンパク質や糖分、ミネラルを溶解した液体のことで、これが濃縮すると、血球成分の比率が増え、すなわちヘマトクリット値があがる。ヘマトクリット値が55パーセントを超えると脱水状態だ。
 
 高齢者は潜在的に脱水状態にあるといえる。脱水は血栓症の原因となる。血液が濃縮されると成分が固形化し、血栓を作る。血栓はすこやかな血流を阻害し、下流の組織を壊死させたり、脳内であれば、脳梗塞、冠状動脈であれば、心筋梗塞となる。
 
 水分摂取が重要なのは老人ばかりでなく、体内における水分の比率が大きい幼児においては脱水は深刻な事態を引き起こすし、青年、壮年であっても炎天下のスポーツを行うときは脱水の危険はすぐ近くにあるといっていい。
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水、健康の母
 すでに1893年にアメリカのシモン・バルーク博士によって、水の健康にはたす重要な役割が医学的見地から指摘されている。それによると、水の薬効は以下の10項目。
 
1. 興奮剤として(消化器系を刺激し眠気を覚ますなど)
2. 鎮痛剤として(神経系の興奮を静める)
3. 強壮剤として(消化器系の活性化による。また発汗、排尿を促し老廃物を運び去る)
4. 利尿剤として
5. 発汗剤として
6. 吐剤として
7. 下剤、整腸剤として(腸の働きを活発にさせるため)
8. 新陳代謝促進剤として(食物の消化吸収に役立つ)
9. 希釈剤として
10. 解熱剤として(発熱原因を減少させる)
 
 健康の定義はいろいろあるだろう。恒常性が保たれていること、というのもそのひとつだ。体温、血液、リンパの水素イオン濃度、ミネラルの濃度、血清タンパク、血糖、コレステロール濃度、赤血球、白血球、リンパ球の数、諸酵素の濃度、ホルモン、栄養物質の状態などなど。これらがいずれも望ましい状態にあり、変動しないことが健康の条件であることは、まず疑いのないところである。
 
 このいずれにも水は関与している。細胞の内と外にあって物質代謝を行っているのだから、水なしに恒常性が保たれることはありえない。シモン・バルーク博士の指摘があって100年がたった現在、水と健康の関係をめぐるわれわれの理解は深まったかというと、かならずしもそうはいえない。そもそも水という存在が不可思議なもので、水の全貌が科学的に把握されたとはいまだいいがたいのである。そこに諸説乱入してけっきょく理解が定まらないという状況が生まれる。しかしどう考えてみても、水が健康維持に重要な役割を果たしているのは疑いがない。とりあえず排泄する量を摂取しなければならないのは動かしがたい事実であろう。1日あたり2.5から3リットルだ。飲料水としては0.8から1.0リットル飲む。すこしばかり多めに摂っても害になることはない。すくないのがいけないのだ。幼児には親が飲ませ、中年以降は意識して飲もう。
 
■摂水
食物 1,000〜1,300ml
飲水 800〜1,500ml
代謝水 200〜300ml
合計 2,600ml
■排泄
尿 1,000〜1,500ml
700〜1,000ml
呼気 300ml
糞便 100ml
合計 2,600ml
 
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