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すでに1893年にアメリカのシモン・バルーク博士によって、水の健康にはたす重要な役割が医学的見地から指摘されている。それによると、水の薬効は以下の10項目。 |
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1. 興奮剤として(消化器系を刺激し眠気を覚ますなど) |
2. 鎮痛剤として(神経系の興奮を静める) |
3. 強壮剤として(消化器系の活性化による。また発汗、排尿を促し老廃物を運び去る) |
4. 利尿剤として |
5. 発汗剤として |
6. 吐剤として |
7. 下剤、整腸剤として(腸の働きを活発にさせるため) |
8. 新陳代謝促進剤として(食物の消化吸収に役立つ) |
9. 希釈剤として |
10. 解熱剤として(発熱原因を減少させる) |
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健康の定義はいろいろあるだろう。恒常性が保たれていること、というのもそのひとつだ。体温、血液、リンパの水素イオン濃度、ミネラルの濃度、血清タンパク、血糖、コレステロール濃度、赤血球、白血球、リンパ球の数、諸酵素の濃度、ホルモン、栄養物質の状態などなど。これらがいずれも望ましい状態にあり、変動しないことが健康の条件であることは、まず疑いのないところである。 |
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このいずれにも水は関与している。細胞の内と外にあって物質代謝を行っているのだから、水なしに恒常性が保たれることはありえない。シモン・バルーク博士の指摘があって100年がたった現在、水と健康の関係をめぐるわれわれの理解は深まったかというと、かならずしもそうはいえない。そもそも水という存在が不可思議なもので、水の全貌が科学的に把握されたとはいまだいいがたいのである。そこに諸説乱入してけっきょく理解が定まらないという状況が生まれる。しかしどう考えてみても、水が健康維持に重要な役割を果たしているのは疑いがない。とりあえず排泄する量を摂取しなければならないのは動かしがたい事実であろう。1日あたり2.5から3リットルだ。飲料水としては0.8から1.0リットル飲む。すこしばかり多めに摂っても害になることはない。すくないのがいけないのだ。幼児には親が飲ませ、中年以降は意識して飲もう。 |
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■摂水 |
食物 |
1,000〜1,300ml |
飲水 |
800〜1,500ml |
代謝水 |
200〜300ml |
合計 |
2,600ml |
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■排泄 |
尿 |
1,000〜1,500ml |
汗 |
700〜1,000ml |
呼気 |
300ml |
糞便 |
100ml |
合計 |
2,600ml |
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