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日本の水問題

日本の漏水率の低さは世界トップレベル!

 現在、日本の水道普及率は2018年3月末時点で98.0%に達しています。また、日本の水道システムは普及率だけでなく、漏水率の低さも主要先進国の中で1、2位を争っています。漏水の主な原因は水道管の老朽化で、水道管(上水道)の水が外部へ漏れることです。日本の上水道漏水率は10%以上の自治体もありますが、全国平均では約5.0%と海外の都市と比較して低い漏水率を実現しています。

高度経済成長期に整備された水インフラが老朽化

 耐用年数を経過した水道関連施設が増加しつつあり、今後、更新時期を迎える老朽化施設の割合が急激に増加することが予測されています。また、高度経済成長期に敷設された設備は、現在の基準で必要とされている耐震性を満たしていないものが多い外、施設の維持管理費の増加、施設の老朽化や災害などが原因としておこる、断水・漏水事故などの発生リスクの増大が懸念されています。

漏水率 低い都市 世界の主要都市比較 都道府県別の水道管経年化率

水道事業の今後の課題

 日本の水道施設の多くは50〜70年代の高度経済成長期に作られています。40年以上経過した水道管では、年間2万件を超える漏水・破損事故が発生しています。そのため、水道管を含む多くの施設を新しいものに更新しなければなりませんが、それには多くの予算が必要になります。今後、さらに人口減少が進むことで水道料金の収入が減少すると、ますます設備投資が厳しくなります。各水道事業体では、例えば、地域の防災拠点や駅、病院につながる水道管などを前倒しで着手するなど、設備の更新順序を慎重に検討しながら事業計画を進めています。
スマート水道メーター スマート水道メーター

 現在、日本の多くの水道事業者においてスマート水道メーターの導入が検討され、実証実験が開始されています。一方、海外に目を向けると、世界40カ国110都市で導入が計画され、すでに導入が進んでいる国も多く、ヨーロッパでは1100万台以上、アメリカでは500万台以上、全世界で2100万台以上に達しています。

期待される効果 スマート水道メーターの導入台数

スマート水道メーターのメリット

 日本のスマート水道メーターの取り組みは、すでに1970年代に東京都水道局ではじまっていました。しかし、当時は通信コストが高いことや、労働人口減少の意識が少なかったために、なかなか進まなかったようです。一方、海外で進んでいる理由のひとつとして、水道メーターの検針方法の違いがあります。海外では、日本のように検針員が各家庭を毎回の請求ごとには回らない場合や、そもそもメーターが屋内にあったり、使用水量を自己申告で申請するなどの国や地域もあります。貴重な水資源を有効利用するために、節水意識の醸成や漏水の早期発見、また、より正確に水道料金を回収するためにもスマート水道メーター導入の必要性があった訳です。
 また日本においては、今後の効率的な設備投資の観点でスマート水道メーターが期待されています。それぞれの地域の水の使われ方を細かく分析できると、水道設備の最適化が図られます。また、限られた予算の中で、適切な水道設備の更新ができます。省力化、効率化に向けて、ニーズはますます増えるものと思われます。

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