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世界の水使用量

 日本をはじめ、先進国の人口割合が多い地域で水が多く使用されている傾向です。今後はアジア諸国の社会発展に伴って、地球規模で水使用量の増加が予測されます。
 ちなみに、日本人1人あたりの水使用量は200ℓ以上で、世界平均の約2倍の量を使っていることになります。内訳は、飲料用として使用されるのはわずか2〜3ℓで、残りは炊事、洗濯、風呂、掃除、水洗トイレ、散水など、ほとんどが洗浄用として使用されています。

世界の生活水使用量マップ

※データの調査年は各都市で異なります。オークランドとメルボルンは夏季のデータを使用しました。
 ロンドンはメーター有りの家庭のデータを使用しました。
 なお、もっとも使用量の多いサンディエゴでは、全体の53%(210リットル)が「屋外使用(水撒き等)」に使われています。
 (出典)水道技術研究センター(2017)「世界の生活用水使用量マップ」

日本人1人あたりの水使用量

地域によって異なる水の使い方

 世界の水道料金で最も高かったサンディエゴが、水の使用量でもトップクラスなのです。用途の内訳は「その他」が非常に多くなっていますが、これは庭への散水が大きく影響していると考えられます。この地域では自宅の庭に芝を植え、とても大切に育てる生活習慣を持っています。そのため、年間を通して大量の水を使うことになります。市は、水不足に備えて庭の水撒きを控えるように市民に呼びかけをしています。
 また極端な例ですが、アメリカのダラスは干ばつ被害が起きやすく、水使用量に応じて単価が高くなる逓増性の料金システムを導入しています。基本料金を除く従量料金の単価が、1立方メートルあたり約0.5ドルから、使用量に合わせて最高で1立方メートル2.2ドルまで高くなります。その成果か、1人あたりの水使用量は216ℓと、アメリカで水使用量の多い都市と比べると、比較的抑えられていると感じます。
世界の降水量と水資源  

 日本は世界有数の多雨地帯であるアジアモンスーン地帯に属し、一年間に降る雨水の量が多い地域です。全世界での一年の平均降水量は900mmから1000mmといわれ、それに対して日本は約1700mm。しかも蒸発によって失われるのは年間に600〜700mmと、乾燥地帯や熱帯地方に比べて少ない量です。この数値を見ると、日本は確かに水の豊かな国と考えられるかもしれません。
 しかし、人口1人あたりでの年間の平均降水総量を見ると、1人あたり約5200立方メートル/年と、世界の平均23000立方メートル/年の1/4程度で、必ずしも特別水に恵まれているとはいえないようです。
 さらに、日本のほとんどの地方では梅雨や台風期に雨が集中し、また日本海沿岸地方では冬期に降雪するなど、日本の降水量は季節的な変動が大きいのが特徴です。このため、降水期には水害が発生し、それ以外の中間期には水不足になりやすい傾向があります。日本の河川の勾配が諸外国に比べて急峻であることも、水資源の損失を増幅する要因になっています。

1人あたりの年降水総量

(注) 1.FAO(国連食糧農業機関)[AQUASTAT]の2018年6月時点の公表データをもとに国土交通省水資源部作成
   2.1人当たりの水資源賦存量は、[AQUASTAT]の[total renewable water resources (actual)]をもとに算出
   3.「世界」の値は[AQUASTAT]の[total renewable water resources (actual)]が掲載されている200か国による

降水量の比較

1971年から2000年までの平均値(出典)理科年表 平成18年

世界と日本の河川勾配比較

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