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「水の世界」「水の大切さ」

清潔な暮らし、健康的な毎日。
のどが渇けば水を飲み、汚れれば水で洗う。
たっぷりの湯船に浸かって疲れを癒す。
まさに「湯水のごとく」思う存分使う水。
そう、水は健やかで豊かな暮らしに欠かすことができない大切な存在です。
しかし、当たり前に存在している水のことをいろいろな角度から眺めてみると、少し心配も…。
日本は水に恵まれた国?
このまま使い続けていて大丈夫?
世界との比較やデータが教えてくれる水の課題、水の未来、そして水の大切さ。
それでは詳しく見ていきましょう。

お話を伺いました! 公益財団法人 水道技術研究センター 高橋様 上田様

 水道技術研究センターは、上水道にかかわる課題の解決を目的に、地方自治体や大学、研究機関、民間企業と協力し、さまざまなテーマに基づいた研究、報告書や手引きの発行、講習会などのイベントを実施されています。
 2015年には「水道の国際比較に関する研究」を開始。日本の水道関係者をはじめ、私たちの生活にとって参考となる海外情報の収集や比較調査を行っています。

世界の水道料金

 水道料金は国によって大きく異なる水準となっています。10立方メートルあたりの料金を見ると、日本は月額13ドルと比較的安価です。一方、世界で最も高いアメリカのサンディエゴは37ドルで、日本の約3倍もの料金です。国や地域での違いはどうして起こるのでしょうか。

月の水道料金

日本の水道料金は平成25年度水道統計「家庭用料金/月10㎥使用料金」を単純平均した料金です。
(出典)水道技術研究センター資料

世界の水道料金マップ

※通貨単価は米ドル ※イヌヴィック、トロントは上下水道を分離できないため、下水道料も含みます。
(出典)水道技術研究センター(2016)「世界の水道料金マップ」

水道料金が決まる要因とは…

 水道料金が決まる要因は、水源の種類や場所、施設の建設費・維持管理費や事業規模、人件費などです。例えば、水源である川と浄水場の距離が500mと5kmでは、設備の負担が大きく変わってきます。川から水を運ぶのに必要なエネルギー量や水道管の長さ、水質の良し悪しなど、水を浄化し運ぶためのコストが水道料金に関係してきます。
 世界のさまざまな国や地域では地理的条件が異なるため、大きな価格の違いが生まれます。例えば、最も水道料金が高いサンディエゴは、半乾燥地域にあることから、川や湖などの水源が不足しています。その結果、自分たちで使うための水を、他の地域から購入し続けています。そして近年、彼らが購入する水の一部は、海水を真水に変える最新の「海水淡水化設備」を使って処理されるようになりました。その影響もあり、2019年の水道料金は37ドル→44.8ドルと高騰しています。高価な技術を使って作られた飲み水は、その分、売値も高くなるからです。

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