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小河内貯水池(奥多摩湖)は、都心から約65q離れた東京都奥多摩町の標高530mに位置する、国内最大級の水道専用貯水池です。ダム上流域に降る雨や雪(年間約1600o)が流れ込んで集まり、蓄えられた水はダム直下の多摩川第1発電所で発電に使用後、多摩川に放流されます。

安定給水の要小河内ダム

小河内ダムの完成当時、東京の水源は主に多摩川水系に依存していましたが、現在では都の水源のうち約20%になっています。しかし、小河内ダムは東京都独自の水源として、利根川水系の渇水時や事故時に放流量を増やすなど、住民の安定給水の確保に重要な役割を果たしています。

砂の流れ込みが少ない貯水池

水道水源林とダムには密接な関わりがあります。安定したダムの運営や管理には、健全な水道水源林の育成が欠かせないのです。ダム全体の貯水量に対して、どれくらいの砂がダムに堆積しているかを表す「ダム堆砂率」という数値がありますが、小河内貯水池では2015年現在で3.3%です。建設から60年を数える同年代のダムと比較すると、格段に低い数値になっています。これは、源流である水道水源林から流れてくる砂が、とても少ないということを表しているのです。水道水源林では、健康な木がしっかりと根を張ることで、良質な土を作ります。また枯れ葉などが土の上でクッションとなり、雨粒の衝撃を吸収して土が崩れることを防ぎます。そういった森林の持つ機能を充分に活かすためには、水道水源林の管理が必要になります。特に貯水池に直接流れ込む、ダムや河川周辺の森林の手入れが重要なのです。

年間150日!都民連携の森づくり活動

そこで、東京都水道局では小河内貯水池の周辺地域をはじめとする多摩川上流域の森林を、積極的に保全活動しています。民有林を購入したり、また所有者が高齢で手入れが行き届かない箇所では、その方の理解や協力を得た上で、間伐や植樹などの手入れを行っています。この「多摩川水源森林隊」という活動には多くのボランティアの方にもご協力いただいています。のべ2000人を超える方々にご参加いただき、年間約150日にわたって森林の再生活動に取り組んでいます。活動開始から今年で16年を数えますが、開始当時から継続して参加いただいている方もおられます。このような永年にわたる継続した活動によって森林が守られ、そして貯水池の機能が保たれているのです。



奥多摩水と緑のふれあい館

ダムのジオラマや小河内ダムの歴史を紹介したパネルなどを展示。奥多摩の自然と歴史、水の大切さやダムの仕組みを分かりやすく解説して



展望塔からの絶景

貯水池や奥多摩の自然、奥多摩湖いこいの路など、大迫力の絶景が一望。また見晴らしの丘からは、春の桜をはじめ、四季折々の素晴らしい奥多摩の自然美が満喫でき

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