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山梨県に発する多摩川の源は、森に降った雨をスポンジ状の土の中にたっぷりと蓄え、都内を流れ、東京湾へと注がれます。この多摩川の安定した河川流量を確保し、そして小河内貯水池(奥多摩湖)の保全を図るため、東京都水道局は多摩川上流域に広がる水道水源林を、1901年から管理しています。

国内最大規模の水道水源林

水道水源林は、東京都奥多摩町並びに山梨県小菅村、丹波山村、甲州市にまたがる広大な森林です。東西約30.9q、南北約19.5q、面積は約24000haで東京都の約10分の1の規模。水道事業体が所有する森林としては、全国で最も大きな森林になります。

源流を発見!ハイキングコース

水源の「最初の一滴」となる多摩川源流の水干を訪ねる登山コースや、ブナやナラなどの広葉樹が主体の天然林の山を歩くハイキングコースがあります。

水道水源林は「緑のダム」

健全な水道水源林は、主に3つの機能があり、自然のダムとして、美しくて豊かな水を創出しています。

120年かけた水源林の復興

多摩川は、江戸時代から市中の生活用水として利用されてきましたが、明治時代には山林の荒廃が進んでいきました。そこで、1908年(明治41年)に、「水源林の荒廃は市民への給水のために復旧すべき」として、尾崎行雄東京市長が水源地経営案を作成し、1910年(明治43年)本格的に水源林の復興に着手したのです。はげ山同然になっていた「笠取山」を始めとする水源地の再生は、とても大きな決断だったと思います。この英断がなければ、現在の東京の街や生活はどうなっていたことでしょうか。約120年の歳月をかけて再生を成し遂げた人々の努力に、心から感謝したいです。

地域の皆さまと取り組む「山づくり」

東京都水道局としては、この水源を受け継ぎ、次世代へ残していくことが使命です。現在、年間約5億円の費用をかけて人工林の植樹や天然林の管理を行い、山づくりに取り組んでいます。健康な木が育つことで、良好な土ができ、それが美しい水を生むことにつながります。山づくりの取り組みは、都民の皆さまにもご協力いただいています。そして、東京都水道局が管理する「水道水源林」の面積は今も拡大を続け、安定した豊かな水源が確保できています。

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