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日本料理は、水の料理


▲着物の上に割烹着をつけた生徒たち。
割烹着は赤堀料理学園の発案。
煮物、汁物をはじめ、日本料理は素材として水を用いる料理であり、また、下ゆでしたり、煮こぼししたり、料理にも大量の水を用いる料理が多いのが特徴です。
これができるのは実は、日本の水が癖のない良質な軟水だからです。硬水の多いヨーロッパでは、水の代わりに、ワインや牛乳、生クリームなどを加えて煮たりします。
これは硬水に含まれるカルシウムが、タンパク質を硬く、まずくしてしまうからです。 硬水で野菜をゆでたりすると、ゴリゴリになってしまいます。

飲み物でも、日本ではお茶が、英国では紅茶が伝統的ですが、これも水が良いからこそできることです。 硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムはお茶の味をまずくしてしまうのです。 ワインや果汁、コーヒーは、水事情に恵まれなかった故の知恵から生まれた飲み物ともいえます。

名酒のあるところに名水あり

ワインなどの果実酒は原料に糖分が含まれているので、酵母を加えるだけで発酵するのですが、日本酒の場合は米をいったん糖分に変える 必要があり、そのための働きをするのが麹です。

そこで、酵母に麹、蒸し米、水を数回に分けて加えて、糖分とアルコールを同時につくり出すわけです。
この醸造用に使われるいわゆる仕込水が、お酒のできあがりを大きく左右するのです。


▲江戸時代に刊行された『日本山海名産図絵』にある酒造りの場面

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