駒沢給水所の配水塔の洋風建築を思わせるデザインは、建造された大正時代当時はかなり斬新だったにちがいない。この配水塔をデザインしたのが近代水道の父と呼ばれている中島鋭治博士だ。中島は欧州の建築を参考にこのデザインを生み出した。現在は〈日本の近代土木遺産〉〈近代水道百選〉〈世田谷百景〉などに選出されている。
平成11年、駒沢給水所は配水施設としての役目を終えた。2基の配水塔は遺構として休眠しているかと思いきや、実は今なお現役で活躍中である。
「通常は無人管理で立ち入り禁止区域になっていますが、現在は災害時に飲料水を市民に供給するための応急施設として使用されています。施設内に埋設された配水池と2基の配水塔に、常時3200m3の水を貯留しています」
また水質を維持するために、約3日間で順次一定量の水の入れ替えも行っている。
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