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知っているようで知らなかった 給水のしくみ。

代表的な3つの配水方法

 川から取水された水は、浄水場において清潔で安全な水へと変わる。多くの人は、この浄水場から直接配水されていると思っているが、その前段階に給水所が存在している。給水所には配水ポンプが設置されていて、このポンプの力で各家庭へ水を圧送しているのだ。この送水方法を「直結直圧式給水」と呼ぶ。高層住宅などへの配水は、直結直圧式給水では送水圧力が足りないので、途中でポンプを使って増圧し届けられる。この方法を「直結増圧式給水」と呼ぶ。他にも配水塔を使った方法がある。丘陵地域などの送水がなかなか難しい地域では、いったん高所に設けた配水塔に水を貯め、そこから水の落下する勢いで配水する。これを「自然流下式」という。しかし最近は配水ポンプの性能が高まっているため、役目を終えた配水塔が増えている。そういった配水塔は優れた貯水力を持っているため、災害用給水タンクとして活用されるケースも見られる。

給水のしくみ。丘陵地域への配水には、まだまだ配水塔の活躍が欠かせない。そしてポンプを使わず配水できるので停電にも強いのだ!

豊住給水所

東京都の豊住給水所は江東区と墨田区の一部に配水を行っている。6台の配水ポンプが稼働していて、奇数番号のポンプと偶数番号のポンプで電気系統を変えている。万一どちらかの電気系統がダウンした場合でも対応できる。

6台のポンプを3台ずつ別の電気系統で動かしているのは、不意のトラブルや災害対応の一環だ






(右)配水ポンプがオーバーヒートしないよう配水ポンプに冷却水を送るポンプ。(左)電気系統別にポンプ室を2つに分けている


給水所が配水のかなめ。水の使用量は時間で変動する。使用量の推移に応じて、配水池に貯めておいた水を上手に調整しながら配水する。これも給水所の重要な役目である。

取材協力・資料提供/東京都水道局

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