雨に恵まれた気候風土の中、古来より農耕と稲作によって生命をつないできた日本人にとって、水神を奉る信仰心はほとんど自然発生的に生じた精神性と言ってよいだろう。
毎年の豊作を願いながら、ときには祈雨(きう)し、ときには止雨(しう)を乞うてきた。その対象として祀られたのが、日本各地に今も残る水神、もしくは水神を崇めた神社なのだ。
人知の及ばぬ強大な自然である「水」に対し、日々感謝の気持ちを抱き、また同時に畏怖の念を持って接することを、人々は連綿と続けてきたのである。
水神を祀った神社は全国に緊密に点在しており、今なお信仰の対象として守られ続けている。
あらためて今、生命の根源である水への有難さを思い起こすべく、水神に出合うための旅に出てみたい。
まずは東へ、そして西へ。
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