針江名物、子どもたちによる手製イカダの川下り。夏にはおなじみの風景
もちろん針江には、今でこそ上下水道が完備されている。しかし各家庭にある「かばた」で洗い物などに使われた湧水は、町の中心を流れる針江大川に集まる。それでもこの川の水が美しいのは、鯉などの魚が浄化してくれているおかげなのだ。
夏になれば、子どもたちの笑い声が響き渡る。廃材の発泡スチロールをつなぎ合わせた手製のイカダによる、川下りが始まるのだ。いっぽうでは川を泳ぐ鮎を狙う子どももいる。「ほら、ザリガニが獲れたよー」と駆け寄ってくる子どももいた。そのすぐそばでは、サギもまた鮎を獲物にするべく、川にザブンと飛び込んでくる。こんな光景が毎日当たり前のように見られるのが針江の町なのだ。子どもと生きものの楽園。そんな表現がぴったりの町なのである。