こちらのサイトでは水に関わるエピソードをお伝えしています。

バックナンバーへ

page2

ウンチは長い旅をする。きれいな水に生まれ変わるために。

ウンチの旅路−家庭から出る汚水は、この道筋を辿っていく。

※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

家庭での水の使われ方

トイレで流されたウンチは、地下に埋設された下水道に流れていく。これはオトナなら誰でも知っていることだろう。しかしトイレの水も、風呂やキッチン、洗面所の水までも、すべていっしょくたに汚水として流されていくとは、ひょっとしたら知らない人がいるかもしれない。これならどうか。雨水までも、ウンチを含んだ汚水とともに一緒になって下水を流れているとは、多くの人が知らないのではないか。汚水と雨水を一緒に流す下水道方式を合流式という。別々に流す方式を分流式という。戦後、いち早く下水道設備が普及した都市部は、ほとんどが合流式を採用している。いずれにしても、地下には無数の下水管が這いまわっているのだ。一般的には、各家庭には塩ビ管が接続されており、その無数の枝が幹ともいえる太い管に集まるようにつながっている。下水道は下流になるほど管渠が大きくなり、コンクリート製の管渠を伝わって、水再生センターに送り込まれる。ところで東京23区の下水管をつなぐとどれくらいの長さになるのか。約1万5700キロ。これは東京とオーストラリアのシドニーを往復する距離に値する。
では下水はどんな力で流れているのか。下水は上水道のように水圧が一定していない。じつは下水は重力のはたらきで流れている。下水管には勾配がついており、だいたい秒速2m前後で流れている。しかし勾配をつければどんどん地下に潜ってしまう。そうならないために、途中ポンプ所を設けて汚水を汲み上げ、また勾配をつけた下水管で自然流下させて運んでいるのだ。水再生センターに送りこまれてから、ウンチを含んだ汚水はどうなるのか?
それは次のページで。

※本文中の「管渠」(かんきょ)とは、下水を運ぶ地中の管のこと
※かつて下水処理場と呼ばれていた施設は、現在では水再生センターと呼ばれるようになっている

(C)Copyright 2009 WATANABE PIPE, INC. All rights reserved.