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人には聞けない、でも知りたい。いたってマジメなウンチの話。人種、貧富の差、宗教、思想に関係なく、人類みな等しくウンチはするもの。しなくちゃならないもの。臭いものにしてある蓋をあえて開けて、ウンチのことをきちんと考え、見つめなおしてみたい。

これが理想の色、形、サイズ

「ウンチは腸からの手紙」だなんて言われかたをする。ウンチを見れば、自分のカラダの状態、つまり健康状態がある程度読めるからだ。ヒトの全長ならぬ全腸は約7〜9m。食べモノは、その間にウンチへと変貌を遂げながら、体内の様々な情報を集めている。その情報の集約されたものが、ウンチというわけなのだ。
ウンチを見れば健康状態が推しはかれる。理想のウンチはあるのかといえば、ある。色でいえば黄褐色、形ならバナナ形、寸法にして太さ2pほど長さ15pくらい。どうすれば、この理想形を生み出せるのかというと、食物繊維をしっかり摂ればいい。食事が肉食に偏ると、ウンチの形状は小さく、やわらかく、ネットリしたものになる。とてもバナナにはならない。
色にも注目だ。もしもコールタールのように黒っぽいウンチが連続するなら、胃潰瘍や胃がんを疑ってみてもいいだろう。赤ければ痔や直腸がんの兆候と言われる。白っぽければ肝臓やすい臓に不調があるかもしれない。そうなのだ、腸からの手紙はすぐに流さず、時にはじっくり読んでから流すべし。

ウンチはなにでできている?

意外に思うかもしれないが、ウンチの成分の半分以上、それどころか75%が、なんと水である。ウンチはほとんど水分からできているのだ。残りの25%は、未消化の食物のカス。ほかの要素は、腸の粘膜からはがれ落ちた細胞、大腸の中に住む細菌とその死がいなどである。
ではなぜ茶褐色をしているのかというと、これは肝臓が発する胆汁の色素であるビリルビンという色素の影響が大きい。この色素はもともと黄色なのだが、酸やアルカリに反応して茶色に変色するのだ。ついでにあの臭いの元はといえば、腸内に残った食べカスと腸内細胞の死がいが腐敗した臭いなのだ。これがウンチの履歴書である。

1日の量を計算してみたら

もうひとつ気になるのは、ウンチの量である。自分だけの話でなく、1日に一体どれくらいの量のウンチが、ポトンと落とされているのか。たとえば東京都内でみると、どれくらいの量なのか。
そんな日常絶対にすることはないであろう計算を、あえてやってみた。まず東京都の人口は、2009年6月時点で、1297万6698人である。計算しやすいよう、1300万人とする。そして日本人1日のウンチの排泄量平均が、150〜200g 。少なく見積もって150gで計算してみよう。1300万人×150g=1950tになる。ピンとこないので、目安の器を小学校にあるような縦25m×横10m×深さ1mのプールで考えてみる。このプールは250tの水が入るから、1950t÷250tで7.8。およそプール7.8杯分のウンチを、毎日都民はしているということになる。これだけのウンチは一体どう処理されているのだろうか。その答えは先のページへと読み進めていただきたい。

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