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vol.13 水資源の最新発想 バーチャルウォーター
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バーチャルウォーター。わかったとして、じゃあぼくらはどうすればいいんですか、教授?
バーチャルウォーターには、正直言って、それがどうしたという思いがつきまとう。その思いが、どうも、バーチャルウォーターの理解をさまたげているような気がする。せっかく権威に会えたのだ。直接うかがってみよう。

2002年の記者会見での見解によれば、こう書かれていた。
(1)日本は水を世界に頼っている。その恩恵を世界に還元せよ。例として、ODAによる水資源開発など。
(2)海外の農地が日本を支えている。該当する農地の持続性や生産高の変動に関心を払う。
(3)地球環境問題の解決の手がかりとなる。
(4)水のLCAを知ろう。(life cycle assessment)

バーチャルウォーターでいちばん驚いたのは牛肉のあまりの水の消費量の莫大さだ。そこから、「牛肉は食べるな」となるのか、と思うひともおおかろう。
「いや、違いますね。おいしいものはありがたい。ありがとうといただくべきでしょうね」
牛肉ファンには教授の言葉が福音に聞こえるだろう。
「食料は大切に、はどうですか?」
「それは言うべきでしょう」。見た目以上に手がかかり、水が投入されている。
「食料にはこれだけの水が使われている。それを知ってほしい。水問題は飲み水ばかりではない。食べ物に含まれている水にも思いを馳せるべきだ。残飯を出すことは水を粗末にすることと同じなのです。僕個人は、どこからどのくらいの水がきているのか、その世界の仕組みを知りたいのです」
バーチャルウォーターという概念は世界を理解する道具だ。道具としての知識だ。飲料水だけでなく、穀物や家畜などすべての基となる水を理解し、世界を理解する。水とは全ての基本になっているのだ。水は将来において、ますます必要となるに違いない。

水とは全ての基本になっているのだ。

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