21世紀は水の世紀
地球上の水のうち淡水は2.5%しかありません。そのうちの約7割は氷で、2割が地下水、最も使いやすい河川水は淡水の0.004%です。地球上の河川水の量は1.3兆トンと推定されますが、これを全人口50億人で割ると一人約250トンという数字です。
私たちはいま家庭用だけでも水道水を一日250リットル使っていますから、河川水を一滴漏らさず有効に、家庭生活用にだけ使ったとしても250トン÷250リットル=1000日、3年しかもたないことになります。にもかかわらず私たちがあまり不自由なく水を使い続けられるのは、地球上の水が10〜15日に一度くらいの頻度で循環しており、その水を人間の叡智でさまざまに有効利用しているからです。
特に大都市では、長い歴史のなかで都市活動、産業そして住民への安定的給水を実現するために苦闘を強いられてきました。水供給の困難と闘いながら、長期的な計画をたて、巨額の投資を行い、いまもたゆみなく努力を続けています。
昔、文明は水の流れの豊かなところにしか発祥しませんでした。しかし、現代文明の象徴である都市は、水供給の限界を押し広げつつ新世紀に向かって発展し続けています。
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