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五四〇万m³。これは、東京都が行っている下水道処理水の一日の量です。大都市では、家庭や企業、工場などで使われた水、地上に降った雨水など、 都市生活にかかわるあらゆる水が必ず一度は下水道を通ります。天候に左右される自然の水と違って、量や温度が安定していますから、以前から 新たな資源やエネルギーとして注目され、各地の下水処理場ではさまざまなリサイクルの試みが行われています。

東京都江東区にある有明処理場。上部球状の部分は体育館。

photoたとえば、窒素やリンを除去する高度処理を行う最新鋭の設備を備えた有明処理場ではどんなリサイクルがおこなわれているでしょうか。  高度処理されて無害になった水は、最後にオゾンと接触させて色や匂いのないとてもきれいな水にします。 さらに塩素消毒後、再生水として臨海副都心の 有明地区の住宅やオフィスビルに送られ、 トイレの水などに使われていますし、都心とを結ぶ『ゆりかもめ』の 洗車にもこの再生水を使用しています。photo 新たな水資源となっているだけでなく、このきれいな水は、 自然の中にそのまま返すこともできます。ここでは東京湾に 放流していますが、他の処理場では 池やせせらぎの水、川などへ放流しています。

東京都新宿区の落合処理場の 処理水を使った「せせらぎの里」。

 

 下水の処理の過程で発生した汚泥は、埋め立て処分するだけでなく、汚泥処理プラントへ送られ、都市の中にリサイクルされ活用されています。 たとえば焼却灰を一〇〇%使ったメトロレンガは歩道や広場、公園の舗装剤に使われています。photo下水汚泥の中の有機分などの可熱分に着目した 「乾燥ケーキ」という名の汚泥燃料も活躍しています。三,二〇〇〜四,六〇〇キロカロリー/kgの発熱量 があり、これは、ほぼ石灰の発熱量(六,四七〇キロカロリー/kg)に匹敵します。そこで、この下水汚泥を燃料とする発電設備も昭和58年から稼働しています。右の写 真は下水汚泥中の水分を除去して生まれた燃料「乾燥ケーキ」。

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